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執筆者の写真etsukohanajima

ポートレート撮影体験記

更新日:7月3日






皆さんは自分自身のポートレートを撮影してもらったことがありますか。

私は先日、プロのカメラマンさんのスタジオでポートレートを撮影して頂き、その体験が想像以上に素晴らしいものでしたので、ブログで皆さんにシェアしたくなりました。


プロに自分のポートレートを撮影して頂いたことは過去に1回だけあります。それは以前、技法書を出版した際のことです。作者紹介欄にポートレートを掲載する必要があり、作品撮影でお世話になっていたプロのカメラマンさんに自宅で簡易的にポートレートを撮って頂きました。それが感じ良く撮れて気に入っていたので、長い間その写真をあらゆる場面で使ってきました。このホームページ上で最近まで使われていたポートレート写真はその時のものでした。しかしながら、その撮影をしたのは2014年の事であり、いつまでもその写真を使い続けるのは読者に対して不誠実ではないかと、近年うしろめたく思うようになってきていました。「そろそろ新しいポートレートを撮ってもらわなくては、」と思いつつ、めんどくさがりやの上、誰に頼んだら良いのかわからず、ずるずると時は過ぎ、最近は海外の雑誌掲載などでポートレートを求められる折には、苦肉の策として比較的よく撮れたスナップ写真を自分で切り抜いて、パソコンで加工して送っていました。

その頃、ある友人から、「共通の友人であるNさんが、彼女の知り合いの良いカメラマンさんを紹介して下さる。」と言う話を聞きました。そのカメラマンさんは、撮影前のメイクとセットで、とても素敵なポートレートを撮影をしてくれるという話でした。その話を聞いて私は、Nさんの知り合いならば、勇気を出して撮影をお願いしてみたいと思うようになりました。しかし、そうは言っても日々の忙しさにかまけ、忙しいNさんにわざわざ声をかけるのも気が引けて、そのままずるずると日々を過ごしていました。

しかし、4月に行われた『JPAC国際エキシビション2024』に参加し、ブースを出展した際にチャンスが訪れました。私のブースの隣で、JPAC図録に掲載する作品撮影が行われていたのですが、そこでNさんが、撮影のお手伝いをしていました。思い切ってポートレート撮影の話を聞いてみると、そこで撮影をしているカメラマンさんこそがNさんの知り合いのカメラマンのG氏ご本人でした。しかしその日は当然、G氏は作品撮影でとてもお忙しく、又、直ぐに海外にいらっしゃる予定があるとのことでしたので、詳細については帰国後に伺う事になりました。

5月下旬になり、撮影の詳細について連絡がありました。しかし、この期に及んで私は怖気ずきました。そもそも、最初に話をしてくれた友人と、ランチでも食べながら、一緒に撮影に行くつもりでいたのですが、実は個別対応なので、一人で行って撮影に臨まなければならないという事なのでした。又、G氏は今では芸能人なども撮影するベテランとなり、撮影スタジオは「白亜のモダンなお屋敷」で依頼者は「ワインを飲みながら」、「好きな音楽を聴きながら」リラックスして撮影するというのです。そんなお姫様体験など無縁のおばさん生活にどっぷりつかっている我が身を顧みて、私はすっかり恐ろしくなってしまいました。友人に相談しようにも、彼女は旅行中で、旅先にまでラインを送って煩わせるのも申し訳ないと思い、結局、Nさんに自分の安易な考え違いを詫びて、一旦は撮影辞退のお願いをしました。しかし、Nさんは、私の事はちゃんとG氏に話してあるので、当然、私に芸能人と同じ対応を求めるようなことは無いし、ワインや音楽はあくまでも緊張を緩めるための小道具に過ぎない、といって私を説得してくれました。そこで私は考え直し、せっかく仲立ちをしてくれたNさんの顔をつぶすことをしてはいけないし、勇気を出して撮影に臨もうと決心がつきました。


撮影当日はあいにく大雨でした。しかし、時間通りに指定のK駅に付くと、間もなくG氏自ら車でお迎えに来て下さり、すぐにスタジオに到着しました。徒歩でも5分くらいとのことでした。

シンプルモダンな白亜のスタジオは1階がキッチンスタジオにもなるオープンな作りで、立食パーティーなどもできるそうです。2階に行くと撮影用のテント(布)や小道具、照明が設置されていて、早速、軽めのワインを準備して下さったので、ありがたく頂きました。

直ぐに、メイクの担当の方がいらして、奥の控室でメイクとヘアセットをして頂きました。本来はスッピンで来るのが良かったそうなのですが、知らずに一通りの化粧をしていたので、上手に修正しながら整えてくれました。メイクしながら、お化粧のコツなど丁寧に教えてくれてとても勉強になりました。又、私の顔型に合うヘアセットの仕方なども教えてくれて、ガールズトークで緊張が緩んだのがありがたかったです。

そしていよいよ撮影。Gさんと共同でお仕事をされているカメラマンさんも合流し、いろいろなショットを撮影していきました。ポーズなど何も知らないので、その都度丁寧に教えてくれて、とても楽しく撮影が進みました。「かわいい」写真が良いのか、「カッコいい」写真が良いのかなど私の希望を聞きながら、いろいろなタイミングや角度でかなりの枚数を撮影して下さり、最終的にそのほとんどを下さいました。

何が一番楽しかったかというと、まずプロにメイクして頂き、メイク次第で、まだ自分もこれくらい綺麗になれるのだという事実を発見した事に感動して、とても楽しい気持ちになりました。

自分の中で勝手に「もうほとんど終了」として、放置していた「自分自身の女性」をプロの力で再び引き出してもらえた事にも感動しました。正直言ってこの経験を通じて、「それなりにちゃんと気合を入れて頑張れば、まだまだいけるじゃん。」という自信もよみがえりました。他人がどう思おうが、たとえ独りよがりであろうが、自分で本当にそう思って元気が出たのです。


最近では、家族のために多くの時間を費やすようになり、海外からのオファーも断り、生徒さんを積極的に教えることはできなくなっている現状に、自分の絵付けのキャリアも、「もはやこれまでか」という後ろ向きな考えが心によぎることも少なくありませんでした。しかし、このポートレート撮影経験を通じて、前向きな気持ちがよみがえってきました。

自分の中にはまだまだ、時間をかけて熟成してきた宝物がたくさんあるのだから、それを磨き直しながら、今できる事をやっていかなければいけないと、強く励まされるような気持になりました。


皆さんにもポートレート撮影をお勧めしたいです。自分自身の中に放置されている「美しさ」「かわいらしさ」「カッコよさ」をプロの力で引き出してもらい、そんな自分と向き合う事で、きっっと元気をもらい、勇気をもらえることと思います。

 

メイク・ヘアセット:HAIR MAKE UP ARTIST 清水玲歌 氏

撮影:G氏





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